最近、食品のgi値を気にする人たちが増えてきています。
高gi値の食品は低gi値の食品に比べて
急激に体内の血糖値を上げる作用があるといわれ、
食べたいものを我慢して、穏やかに血糖値を上げる低gi食品の方を選んで購入することもあるかもしれません。
和菓子に使われるあんこもgi値の高い食品です。
けれども、あんこの原材料である小豆は、
成分表でみると、食物繊維バツグンの栄養素があるのです。
それって、どうなの?高giだからやめた方がいいの?って悩んでしまいます。
そこで、調べてみました。
原材料の小豆について調べてみた
小豆(アズキ)は、東アジア原産のマメ科ササゲ属の1年草で、
日本では縄文時代の遺跡からも発掘されているほど、
古くから親しまれている植物です。
中国では、世界最古の薬学書である神農本草経にも記されています。
当時は解毒などの薬として用いられ世界に広まり、
日本に伝わったのは3世紀頃ではないか、といわれています。
日本でも古事記や日本書紀に出てきます。
本格的に栽培されるようになったのは8世紀頃とされています。
小豆の種類と言い伝え
小豆の種類は数十種類以上あるといわれていますが、国産の主な品種には、大粒種の大納言、
普通小豆の中納言、白小豆、黒小豆などがあります。
小豆の赤い色は、古代では魔除けの意味があり、邪気を払い、身を守るとされて、
さまざまな儀式や行事に用いられてきました。
現在でもその風習は私たちの身の回りに残っています。
お祝い事があるときには、赤飯を炊いたりしますものね。
また小豆があんことしてお菓子に使われるようになったのは、
安土桃山時代に茶道が広まったあたりからといわれています。
白砂糖で味付けしたぜんざいが生まれ、
江戸時代には小豆あんの製法が進化して、
つぎつぎとあんこを使った和菓子が作られるようになり、庶民も食べられるようになりました。
自宅でも簡単に、あんこを作ることができるので
おはぎなんて作って家族や友達に振舞ってはいかがですか?
小豆の栄養成分は意外だった!?
成分表で見ると小豆は、肉や卵に負けない高タンパク。
カルシウムや食物繊維もたっぷり。です。
100g中に小豆(乾燥)はカルシウム75mg。
ゆで小豆で30mg。
ゴボウで(生)46mg。
またカリウムは乾燥小豆で1500mg、ゆで小豆で460mg。
多いとされるバナナ(生)は360mgです。
それに、驚くなかれ食物繊維は乾燥小豆で17mg以上、
ゆで小豆で11mg以上もあります。
ゴボウが(生)が5.7mgですから、ダントツに多いのです。
1日の成人の目標摂取量が食物繊維は20~25gといわれていますから、
もう目からうろこですね。
食物繊維は、急激な血糖値上昇を抑える働きをしますし、
がんの予防にも役立つといわれています。
(参考:五訂食品成分表関連資料)
からだによい小豆成分の効能
小豆には、先ほどお話した栄養素以外にもたくさんの
からだによい栄養素が含まれています。
それはビタミン、ミネラルの多いことです。
とくにビタミンB群は豊富ですから、疲労回復や脚気の予防など。
B2やB6は皮膚を守る働きがあります。
美肌づくりや皮膚の健康維持には欠かせません。
また小豆にはアントシアニンというポリフェノールや鉄、亜鉛なども含まれています。
小豆の皮に含まれるアントシアニンは、赤ワインの1.5倍といわれています。
ポリフェノールはご存知のように、
活性酸素を抑制し抗酸化作用があるので老化防止に役立ちます。
また面白いことに、砂糖を加えて加熱すると、
酸化作用の強いメラノイジンという物質ができます。
あんこには、抗酸化作用があるということですね。
鉄分が多い小豆は、貧血や冷えを改善するといわれていますし、
サポニンやカリウムも豊富に含まれていますから、
利尿作用があり、むくみの改善や高血圧の予防にもなります。
からだは小さいけれど力持ち
小豆を調べてゆくうちに、小豆のバランス良い成分は、
私たちのからだにとても役立つ栄養素を含んでいることが分かりました。
昔から薬用として、
また魔除けの儀式に使われるほどの効果を秘めた小豆の力。
からだは小さいけれど力持ちな小豆なんですね!
高gi値食品とされるあんこですが、もともとの力は小豆以上。
あんこにしても負けていません。
気になるようなら、砂糖の量や種類を変える、
食べる量を加減するなどして、上手に小豆の栄養をいただきましょう。