乳酸菌整腸薬として知られるビオフェルミンが、
逆流性食道炎の症状の緩和に効果があるというのをご存知ですか?
ビオフェルミンと逆流性食道炎がどのように関係しているのか、詳しく説明していきたいと思います。
逆流性食道炎で悩むあなたは、
これを読んでビオフェルミンの服用を考えてみてはいかがでしょうか。
逆流性食道炎とは?
逆流性食道炎は、胃酸や胃の中の食べ物が逆流することで、
食道の粘膜に炎症が起きることを言います。
肥満や妊娠、腰が曲がっている人は胃に圧力がかかったり、
脂っこい食事や過食、高齢になると食道と胃の繋ぎ目で
蓋の役割をしている下部食道括約筋(LES)や食道裂孔が緩んでしまったり
ストレス等で食道や胃の蠕動運動が悪くなったり、
胃液が増えるなどといった様々な要因で、食道に逆流してしまうことが原因であるとされています。
主に60歳以上の高齢の女性に多い病気でしたが、
最近では食の欧米化や食生活の乱れによって20代の若者でも発症する人が増えてきているそうです。
つまり、老若男女関係なく、
どれか一つでも当てはまっていると思ったら要注意しなければなりません。
放っておくと手術が必要になることも…
逆流性食道炎の症状には、胸やけや嚥下障害(食べ物が飲み込みづらい)、
呑酸(酸味や苦みのあるものが上がってくる)、咳、胸痛、喉の違和感や声枯れなどが挙げられます。
これらは全て、逆流した胃酸が原因なのですが、
胃酸が食道を通る頻度が増えるにつれ、食道が傷つき出血します。
これを放置していると、睡眠障害や貧血になるほどの出血を起こしたり、
食道の粘膜が胃の粘膜へ置き換わってしまうバレット食道や食道癌といった
合併症を引き起こす可能性が出てきます。
症状が長く続き重症化すると、外科手術によって逆流を防ぐために
噴門形成術などの食道と胃の繋ぎ目を締め直す手術が必要になります。
もし、少しでも不安に感じたら、自己判断せず医師に相談しましょう。
逆流性食道炎の治療方法
主な治療方法は、生活習慣の改善、薬物療法になります。
生活習慣の改善では、食事や姿勢、
服装などとにかく胃に負担をかけない生活を心掛けます。
食事においては、脂分の多い食事や甘い物、柑橘類、コーヒー、
紅茶、香辛料、アルコール、タバコなどの胃酸の分泌を促進したり、胃の中に食べ物が留まらないように気を付けます。
また、薬物療法では治療薬として胃酸分泌抑制剤や
消化管運動機能改善剤、制酸剤、粘膜保護剤などが処方され、それを服用します。
これらは症状を無くすためであって、
根本的な治療にはなりませんが、食道や胃を健康に保つことができます。
そして、この薬物療法で整腸剤として処方されるのがビオフェルミンになります。
なぜ、食道や胃に関係のない腸の薬が処方されるのか、
疑問に思う人がいると思いますが、実はビオフェルミンには大事な役割があるのです。
胃と腸の意外な関係
胃と腸は別々の器官ですが、胃腸と呼ばれるほど密接な関係にあり、
胃痛と便秘または軟便や下痢が同時に起きることは少なくありません。
なので、ストレスや肥満など原因が同じ場合だと、
胃と腸のどちらか一方を治療しようとしても意味がなく、両方同時に治療する必要があります。
そのため、胃には関係のない整腸剤であるビオフェルミンが処方されるのです。
ビオフェルミンには、ビフィズス菌によって腸内環境を整える効果があり、
それによって下痢や軟便、便秘、腹部膨満などの症状が改善されます。
さらに、副作用がないため、とても安全な薬になります。
これを服用することによって、排便時に腹部に無駄な圧力をかけずに済みますし
胃と腸のぜん動運動がスムーズに行われるようになるのです。
病院で処方される方は、抗生物質と同時に服用することが多く、
それによって効果が薄れないようになっているだけであって、
抗生物質を服用しない場合には市販のものを飲んでも、同じ効果が得られると言われています。
まとめ
今回は、胃や食道で起こっている逆流性食道炎に、
整腸剤であるビオフェルミンが効果的である理由などを説明してきました。
胃と腸は別々の器官であると思っていましたが、
実は関係していて胃酸の逆流を整腸剤で改善することができるということに驚きました。
もし、逆流性食道炎の症状で苦しんでいるのでしたら、
一度ビオフェルミンを服用してみてはいかがでしょうか。