牛乳やヨーグルトを食べると、なぜかお腹を下してしまうという
ご経験はありませんか?
実はそれ、ラクトースの分解酵素の能力が
低下しているのが原因なのです。そしてその病気は、
乳糖(ラクトース)不耐症と呼ばれています。
今回はそんな乳糖不耐症の症状と対策法について
ご紹介していきたいと思います。
乳糖(ラクトース)不耐症って?
乳糖(ラクトース)とは、ガラクトースとブドウ糖(グルコース)が
結合した 2 種類であり、膨乳や牛乳などの栄養素として
含まれています。
通常、口から摂取された乳糖は小腸粘膜にある乳糖分解酵素によって
分解され小腸粘膜に吸収されます。
しかし、乳糖不耐症の場合は乳糖分解酵素がうまく働かないため、
乳糖が不消化の状態で腸内に残ってしまうのです。
分解されなかった乳糖は大腸の中で発酵し、脂肪酸やガスや水となります。
そうして発生した炭酸ガスや脂肪酸が腸を刺激して自発運動を
起こし下痢などの症状を起こしてしまいます。
原因はなんなの?
乳糖(ラクトース)不耐症には 2 つの種類があります。
それは先天性乳糖不耐症と後天性乳糖不耐症です。
- ・先天性乳糖不耐症
先天性乳糖不耐症は、遺伝的に乳糖分解酵素をもたない場合のことをさします。 - ・後天性乳糖不耐症
乳糖分解酵素は小腸粘膜の先端部位にあるので、
小腸粘膜が傷害される多くの病気で二次的に
酵素素活性が低下します。これが後天性乳糖不耐症です。
乳児の場合はウイルスや細菌による腸炎の影響で腸粘膜が
刺激され酵素活性が低下するということがよくあります。
この場合は、小腸が回復すれば自然とまた乳糖を分解することが
できるようになるのでご安心ください。
乳糖分解酵素活性は年齢とともに低下します。
日本人では、乳糖分解酵素素活性が低い大人は
約 40%に及ぶと言われています。
これは、日本人の食生活にミルクを多く摂取する習慣が
ないことが原因のようです。
乳糖(ラクトース)不耐症の症状は?
よくある例では、牛乳を飲んだ後にお腹が痛くなるという
症状です。
牛乳のほかにもヨーグルトなど乳糖を多く含む食品を
とったときにお腹を壊してしまうというのが
乳糖不耐症の主な原因になります。
特徴としては、酸っぱいにおいの成分のするガス成分を含む
水のような下痢をするといったことが多いようです。
赤ちゃんの場合は、ウイルツ感染による腸炎に合併して
症状を引き起こしてしまうということが多々有ります。
治すにはどうすれば?
・乳糖をとらない
乳糖不耐症にかかってしまったら、乳糖を含む食べ物を摂らないようにしましょう。
ただし、あらかじめ乳糖を分解してある乳製品であれば摂ってもかまいません。
乳児の場合は、乳糖を含まないミルクを飲ませてあげてください。
牛乳が飲めないのは辛い!という方は、
明治乳業から発売されている「アカディ」という牛乳を飲むようにしてください。
また牛乳に近いものであれば、豆乳がオススメです。
豆乳も同じく乳糖を含みません。
それでいて栄養も豊富なので一石二鳥ですね。
(無調整豆乳は少し飲みづらいですが・・・)
また、乳製品を摂るとお腹が痛くなるので
整腸剤を飲むという方も多いかと思いますが注意してください。
整腸剤の中には乳糖を多く含んでいるものがよくあります。
整腸剤を使用される際は、ビオフェルミンやレベニンなどの
乳糖が少ないものを選ぶようにしましょう。
・ 乳酸菌を摂る
ヨーグルトやヤクルト・カルピスには乳酸菌が
豊富にふくまれているので積極的に摂るようにしましょう。
先ほど、乳糖不耐症になってしまったとき乳糖を
摂ってはいけないと書きましたが乳酸菌は別です。
乳酸菌はラクターゼを含んでいるので、乳糖の分解を
助けてくれるはたらきを持っています。
乳糖不耐症になったら小腸を休ませよう!
乳製品を摂ってお腹の調子が悪くなっているなと感じたら、
乳糖を摂らないようにして小腸をいたわってあげてください。
乳酸菌で腸内を整えてあげるのも良いですね。