みかんの皮にはペクチンが含まれているという話は、
たいていどこかで耳にしたことがあるでしょう。
みかんの皮のペクチンを使いマーマーレードや
ジャムを作った経験のあるかたもいるかもしれませんね。
けれども、それだけじゃありません、みかんの皮にはからだにいい成分たっぷり。
しかもがん予防にもなるといわれています。またそれ以外にも驚きの効果もあります。
では、何がそんなによいのか、それらの正体に迫っていきましょう。
みかんは1種類だけじゃない
みかんと一口にいっても、みかんにはさまざまな種類があります。
ざっとあげるだけでも、温州みかん、甘夏、伊予かん、
デコポン、清見、八朔、ポンカンなど、まだまだきりがありません。
それほど種類は多く世界には900種以上の種類があるといわれています。
三重県の果樹研究の施設ではおよそ1000種のみかんを育てているそうです。
みかんやオレンジの総称を柑橘類といいます。一般にみかんというと
温州みかんのことを指すことが多いのですが、温州みかんにも種類があり、
9月~10月に収穫される極早生温州、10月~12月に収穫される早生温州、
11月~12月に収穫される中生温州、1月以降に収穫される普通温州に分けられています。
歴史から見たみかん
みかんの歴史はかなり古くて、原種の発祥は
3000万年前インドの東北部であったとされています。
そこからミャンマーやタイ、中国へと広まり栽培されるようになりました。
中国の古い文献にも出てきます。
4000年前には中国で柑橘類の品種分けもされていたといいます。
日本でもみかんは橘として古事記や日本書紀、魏志倭人伝にも出てきます。
日本では初期のころ食用ではなく薬用として用いられていました。
日本にみかんとして広まったのはキシュウみかんであるといわれています。
現在のように栽培されるようになったのは明治以降でした。
みかんの成分を見てみよう
みかんの皮には、ペクチンやヘスペジリン(ビタミンP)、β-クリプトキサンチン、
リモネン、クエン酸、ビタミンEなども多く含まれています。
みかんが色づくと医者が青ざめるということばがあるように、
これらの成分はからだによい成分であることがわかってきました。
水溶性の植物繊維であるペクチンは、
コレステロールの低下作用や便秘にも有効な作用ががあります。
ヘスぺリジンは血流改善や血圧低下作用、
β-クリプトキサンチンには発がん抑制作用が発見されました。
とくに温州みかんに多く、オレンジやグレープフルーツ、
レモンには少ないといわれています。
リモネンはみかんの生皮を押すとプツプツ出てくる液体で精油成分です。
かんきつ類の良い香りがしますね。
リモネンは消化機能の亢進や抗菌作用、発がん抑制作用などがあります。
なかでもリモネンの用途は広く香料や洗浄剤など商業用にも利用されています。
漢方ではみかんの皮を干したものを陳皮といって利用してきましたが、
漢方薬になる理由も納得できますね。
これら成分が発がん予防になるということがスゴイところです。
現在ではみかんの皮が見直され、注目を浴びています。
家庭でできるみかんの皮の利用方法
みかんの皮は家庭でもいろいろな用途に使えます。
食用として、ジャムやマーマーレードはもちろん、
乾かしたものを細かく砕いてふりかけや、お湯を注いで飲めばみかん茶です。
風邪予防や胃腸薬としての効果も。
ガーゼなどの袋に入れて、入浴剤として使えば血行をよくし、お肌もしっとり。
みかんの良い香りでアロマにもなりますね。
また皮を煮出してできた液は、お掃除用に大活躍します。
フローリングなどの汚れ落としにも使えます。
みかんの皮を使うときのポイント
みかんの皮を使うとき、やはり気になるのは残留農薬ですね。
柑橘類は輸入のとき、
ミバエの防除や品質劣化を防ぐために薬品や農薬を散布するそうです。
国内産のものはさほど心配はないといわれますが、
全くの無農薬でないかぎりちょっと気になります。
重曹水に浸けてよく洗えば大丈夫といわれていますから、
心配な場合は洗ってから使用しましょう。
ただ輸入物については注意した方がよいかもしれません。
ひと手間かけて安全をこころがけることで、
みかんの皮の正しい効能が得られるに違いありません。