欧米ではメジャーな飲み物、ライスミルク。
その名の通り、お米から作られた、牛乳の代用飲料です。
このライスミルクは最近では日本でも浸透してきていて、
牛乳よりも低脂肪、低カロリーのため、2015年にブームになるという声も聞かれます。
ですが、ライスミルクには血糖値に影響があるなど、
意外と知られていないデメリットもあるのです。
今回は、ライスミルクについて色々と学んでいきましょう。
ライスミルクが人気の理由
欧米でライスミルクが浸透している理由は、ベジタリアンが多いということがあります。
牛乳を禁じているベジタリアンでも、
牛乳を使用した飲み物や料理を楽しみたいために、
代用品であるライスミルクに人気が集まっているのです。
牛乳アレルギーや乳糖不耐症(牛乳を飲むとゴロゴロする体質のこと)の人が
増えているため、そういった人々でも牛乳代わりに飲めるということが理由のようです。
日本では昔から豆乳を飲む習慣がありますが、
それと同じように、ライスミルクも米食文化の日本でも受け入れられてきているということですね。
ライスミルクはどうやって作られる?
市販のライスミルクは大半が輸入品で、
今のところ国産品は限られたメーカーでしか販売されていません。
お金はかけられないけれど国産のお米で作りたいという人は、
自作することもあるようです。
ライスミルクの作り方は至って簡単、水にふやかした玄米と水、
少量の塩をミキサーにかけて、加熱して熱いまま、
または冷ましてから飲むレシピが一般的です。
中には加熱しないレシピを提案している場合もありますが、これはとても危険。
生米をそのまま飲むようなものですから、消化不良が起こる可能性があります。
また、加熱なしでは衛生面の心配もあります。
いずれにせよ、流行しているからと知識も無いままに手を出すと、
危険なものができてしまう恐れがあるので、なるべく市販品を利用した方が良いです。
ライスミルクと牛乳の栄養価の違い
では、ここで本家の牛乳と、ライスミルクの栄養価の違いを比較してみましょう。
(全て200ml、コップ一杯あたり)
【エネルギー】
牛乳:138kcal ライスミルク:116kcal
【炭水化物】
牛乳:9.9g ライスミルク:22.9g
【たんぱく質】
牛乳:6.8g ライスミルク:0.2g
【脂質】
牛乳:7.8g ライスミルク:2.7g
比べてみるとわかる通り、ライスミルクの方が低脂肪です。
ですが、たんぱく質の面では牛乳の方が優位です。
やはり、良質のたんぱく質を摂る目的なら、
ライスミルクでは代用はできないということですね。
たんぱく質の他、カルシウムも牛乳のように大量に摂ることができません。
また、炭水化物の量では、ライスミルクの方が倍以上も含まれています。
ライスミルクと牛乳では、数字の上での違いだけでなく。
実は血糖値の上昇の仕方に大きな違いがあります。
これについては次項で説明します。
ライスミルクを飲んだ時の、血糖値への影響
ライスミルクに含まれる炭水化物は、ほとんどがデンプン質です。
そのため、粉砕して加熱された、吸収されやすい状態で身体に入れると、
血糖値の急上昇を引き起こします。
血糖値が急上昇すると、身体に色々な悪影響があります。
まずは、インスリンが過剰に分泌されて、太りやすくなること。
低GI値ダイエットなどでも知られる通り、
血糖値を上げ過ぎない食事をする方が太りにくいため、
ライスミルクはダイエットには不向きということです。
また、糖尿病の発症リスクも、
血糖値に気遣った食生活をしている場合とそうでない場合では、かなりの差が出ます。
そして、既に糖尿病の患者にとっては、
血糖値の急上昇は命取りとも言えます。
ライスミルクを生活に取り入れる場合は、
血糖値についても知ってからの方が、健康管理する上で安心ですね。
まとめ
以上のように、ライスミルクは良いことだけではありません。
完全に牛乳の代わりになるわけではなく、
補えない栄養素もあることを知っておきましょう。
また、自作してお腹を壊したり、血糖値についてよく知らずに飲んで、
健康に悪影響が出るようでは本末転倒です。
そういったトラブルを避けるために、
ライスミルクについて知っておきたいことを、4項目に分けてご説明しました。
もちろん、体質的に牛乳が飲めない人なら、
ライスミルクは美味しくて安全な代用品として重宝することでしょう。
ですが、栄養価の数値だけ見て、
ダイエット向きだと安易に飛びついたりしては、逆効果を招くこともあるのです。
これからライスミルクを飲み始めようと思っているのなら、
しっかり事前に学んでおくべきですね。